HEAVY METALS CONTAMINATED SOILS
重金属不溶化
重金属類汚染土壌の不溶化(鉱物安定化)
特定有害物質に指定されている重金属類は、もともと自然に多く存在しています。これらは土粒子との相互作用が強いため結合しやすく、分解ができず、除去も困難です。
今までは多くが汚染土壌の除去工法で処理をしていました。ですが掘削除去、洗浄、焼却等の処理では工期もコストも大幅にかかります。また、従来の改良材では、改質後の土のpHが中性域に安定しないために用途に制約があり、廃棄されることも少なくありませんでした。
グリーンアースは、現地での原位置不溶化工法ができます。土中のpHの中性を保持しながら、重金属を化学結合により難溶性の鉱物に変えて安定化、不溶化によって再溶出を防いで指定基準以下にして再利用します。また、一度の処理で複数の重金属汚染の不溶化処理ができます。
[同時改質]
・重金属の不溶化
・浚渫汚泥の改良
・酸性度(泥岩・土丹など)の不溶化
・分別前処理(含水調整・粒度改善・剥離性向上)
・VOC・油類等の土壌浄化
・強度発現
トンネル工事掘削ズリに発生した自然由来汚染土の不溶化事例
※グリーンアースCZを45kg/㎥添加
原土 | pHの変化 | 六価クロム溶出量の変化 | 環境基準 |
---|---|---|---|
粘性土 | 7.4→8.2 | 0.14mg/L→不検出 | 0.05mg/L |
土木工事で発生した自然由来汚染土の不溶化事例
※グリーンアースCZを67kg/㎥添加
原土 | pHの変化 | 鉛溶出量の変化 | 環境基準 |
---|---|---|---|
シルト質土 | 6.3→7.6 | 0.12mg/L→検出不可 | 0.01mg/L |
埋設混合廃棄物混入土の分別及び不溶化事例
※グリーンアースCMを35kg/㎥添加
原土 | pHの変化 | ヒ素溶出量の変化 | 環境基準 |
---|---|---|---|
アルカリ土 | 9.7→7.5 | 0.097mg/L→不検出 | 0.01mg/L |
※土壌・地下水汚染に関係する環境基準 第二種特定有害物質
ヒ素、カドミウム、六価クロム、シアン、水銀、セレン、鉛、フッ素、ホウ素(及びその化合物)
重金属の不溶化に適したグリーンアース製品
CM
・重金属の不溶化(特定有害物質全種対応)
・アルカリ性原料不使用、改良後のpH上昇も少なく、原土より低いpHに
・短期中性域対応
・電気伝導率の上昇抑制
CZ
・重金属の不溶化(セレンは添加量が必要)
・一時的にアルカリ性が増すが原土のpHに
・短期中性域対応
・高強度
・高含水調整
・粒度改善
・土質固化
CN
・重金属の不溶化(セレン以外)
・一時的にアルカリ性が増すが原土のpHに
・長期中性域対応
・高強度
・粒度改善
・土質固化
・VOCの浄化
CS
・重金属の不溶化(セレン以外)
・一時的にアルカリ性が増すが原土のpHに
・短期中性域対応
・高含水調整
・粒度改善
・土質固化
・電気伝導率の上昇抑制
●使用事例1
目的:ヒ素不溶化
改良土量:1,200(㎥)
使用量:60t(50㎏/㎥)
使用改良材:グリーンアースCM
●使用事例2
目的:ヒ素不溶化
改良土量:13,000(㎥)
使用量:1,150t(50㎏/㎥)
使用改良材:グリーンアースCZ
●使用事例3
目的:ヒ素不溶化
改良土量:80,000(㎥)
使用量:2400t(30㎏/㎥)
使用改良材:グリーンアースCZ
※溶出量により添加量は変化します。
鉱物安定化による不溶化メカニズム(グリーンアースCMの場合)
重金属不溶化に最適なグリーンアースCMの主な成分は、人に無害な無機鉱物です。ヒ素などの重金属を含んだ土壌や岩石と、土中の粘土鉱物、グリーンアース、水分、金属イオンなどが化学反応を起こして、水に溶けにくい難溶性化合物を生成。重金属類を無害化します。
[第二種特定有害物質]
・カドミウム
・六価クロム
・シアン
・水銀
・セレン
・鉛
・ヒ素
・フッ素
・ホウ素
[グリーンアースCMの成分]
・マグネシウム
・カルシウム
・鉄 など
[化学反応後の主な難溶性化合物]
・アパタイト結晶体
・ハイドロタルサイト
・シュベルトマナイト
・エトリンガイド
・ポゾラン化合物
・ゲイレナイト など
グリーンアースをもっと知りたい!
グリーンアース(CM)の
主な成分ってなに?
Q1
マグネシウムやカルシウム等、人体・環境にも無害な無機鉱物が主な成分です。
主な成分は、ごま・ひじき・のり・こんぶ・いわしなどに多く含まれているマグネシウムや、魚・えび・小松菜などに多く含まれているカルシウムです。 マグネシウムは苦土肥料として畑に撒いたり、飼料として動物の餌に混ぜたり、豆腐を固めるのに使われています。カルシウムも石灰肥料、動物の飼料やこんにゃくを固めるのに使われています。どちらも生き物には必要な栄養素です。 植物や人体には無害で、放射性物質などの有害物質を作物が吸収することを防ぐ効果も期待できます。
化学反応でできる
難溶性化合物って?
Q2
難溶性化合物というのは元々自然界に存在していて身近に使われています。
グリーンアースと土壌の粘土鉱物・水分・金属イオンなどが化学反応を起こすと、次のような化合物が生成されます。
❶アパタイト結晶体/スリランカ等で産出する天然鉱物でアクセサリーに使用。
❷ハイドロタルサルト/ロシアやノルウェーで産出され、医薬品等に使用。
❸シュベルトマナイト/メキシコやイタリアで産出。オレンジの絵具に使用。
これらは鉱物なので、300℃〜1500℃で焼成したり、黄金も溶かす王水をかけない限り変化することはありません。
無害化はどの位続くの?
本当に大丈夫なの?
Q3
水に溶けにくい性質なので自然状態で重金属が再溶出することはありません。
グリーンアースと化学反応を起こして生成された難溶性化合物は、水にはほとんど溶けることがないので、自然状態の中では重金属類が再溶出しにくい。
グリーンアースを混合した土壌や岩石を2mm以下に細かく砕いた状態にして、強いレベルの酸性雨や、セメントやコンクリートの強アルカリの影響に長期間さらされる仮想状態を再現して再度暴露による溶出試験を行った結果、金属イオンが溶出しないことを確認しています。 健康被害を心配することなく生活できます。